新任のご挨拶

2011年2月1日
長島愛生園入所者自治会
会長 中尾 伸治



 2月1日より自治会会長を仰せつかった中尾と申します。昨期よりの続投ですがよろしくお願いします。

 療養所の入所者は、岩を砕いて道を造り、林を拓いて畑を造り、山を削って宅地を造り、自らの手により整備を進めていった。その結果、重大な後遺症を残したのは言うまでもない。
 現在、その厳しい時代を懸命に生き抜いてきた入所者の平均年齢は81歳を超える。

 今、園内は不自由者棟のみならず、一般寮の者も高齢化により不自由度が増し、益々介護の手が必要となっている。しかしながら退職した介護員の補充は無い。我々にとって厳しすぎる対応である。また職員の不補充は、介護員のみでなく、生活に影響のある部門を含め多岐に及んでいる。
 いかにすればこれからの余生を安心して、楽しく生活して行けるのか。医療の充実はもちろんだが、今から三年先、五年先を思う時、現時点で安心も楽観も許されない。残念ながら未だに明るい光が差しているとは言いがたいのである。


 将来構想についてはさまざまな案が考えられるが、長島愛生園の場合、園内各所にある歴史的建造物の保存と活用、歴史館の維持運営も大きな問題である。


 さらに、これが一番の問題だが、入所者の代表である自治会役員の高齢化が進み、その構成すら難しくなってきている。

 就任の挨拶が問題提起ばかりに終始してお恥ずかしい限りであるが、これが療養所の現状であることをお伝えしたい。

 皆様方のご支援とご尽力により、「生きていてよかった」と思える療養所の将来を模索していきたい。
 今後とも、何卒よろしくお願いします。