1975年夏。カンダハルからパキスタンのクエッタに向かった。国境に近いスピンボルダックの直前で、ヘルマンド川の支流になるワジが前日の大雨で溢れていた。川の中程に横転したトラックと立ち往生したトラックがあり、両岸には水がひくのを待つ車の列ができていた。普段水のないワジには橋が架けられていないのが普通で、たまに雨が降るとただ水が引くまで待つしかない。この日は結局渡れず、カンダハルに引き返し、翌日川をわたることができた。