| インド・キンノール巡礼の旅 |
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| 1997年8月13日(水) ジープトレッキングの始まり |
5時過ぎに一度目が覚め、窓から様子を窺うと青空が出ていた。今日はいい天気だと思いながらもう一度ベッドにもぐり込む。
7時過ぎ、起床し、再度見ると、外は深い霧。山の天気は変わりやすい。雨季のシムラではいつものことらしいが。
荷物を整理。8時、レストランへ。コーンフレーク、トースト、紅茶、オレンジジュース。ミルクポットもティーポットも銀器。ホテルの格を示すものか。
8時45分、霧が晴れてくる。
家に電話をかけようとするが、なかなかかからない。Aさんを煩わし、10時過ぎ、やっと通じる。電話代740ルピーにびっくり。フロントの係りまで驚いた様子。
手紙、日本宛12ルピー。
10時15分〜11時30分、尾根の教会前広場(ガンジーとインディラ・ガンジーの像あり)へ。15日の独立記念日を控え、軍隊の行進、リハーサル中。尾根周辺の建物、由緒あるもの多し。ビクトリア風の建物、彩色も様々。
本屋に立ち寄り、ヒマーチャル・プラデッシュの本など購入。
表通りはともかく、裏通りは生ゴミが散乱し、汚い。しかし、生活の一端を垣間見るには最適。
出発予定の12時になっても、キンノール〜スピティ間入域のパーミッションが取れず。管轄署の署長が出かけているため、交付してもらえないとか。12時30分、ガイドのネギさんがやっと交付されたパーミッションを持って帰ってくる。
ジープが入れないため、ホテルから駐車場までの500メートル程は、ポーターに荷物を持ってもらい歩く。
「はっきり言って、あまりいい車ではない。」と言っていたAさんの言葉通り、日本ではジムニーとして販売されているマルチ・スズキのジプシー。軽四並の小型車で計器類はほとんど用をなさないほど使い込んでいる。キャンプ用具一式と私たちの荷物を積み込むとインド人スタッフ5人(ドライバー2人、コック、チキンボーイ、ガイド)と私たち4人がはたして乗れるのか心配になる。
それでもどうにかSHさんの1号車に5人、SRさんの2号車に4人(ドライバーのSR、私、K、R)が乗り込み、13時前にジープトレッキング出発。日程表ではキンノールのサングーラ泊になっているが、とても今日中にキンノールは無理。
シムラからキンノールKinnerに向かう22号線はナルカンダオNarkandaoまではほぼ尾根筋を走る。海抜2000メートルから2700メートルの高度。山はかなりの急斜面。その急斜面に民家が点在する。しかも、十数キロ走ると必ず小さな町があり、バザールは大勢の人で賑わっている。このような山中にどうしてこんなに人がいるのか不思議なほど。山の斜面はリンゴ畑やトウモロコシ、キャベツ畑になっているところもあるが、狭くて、急勾配の畑の人口支持力は知れているように思うのだが。一体、彼らの生業は何か、知りたい。それにしても、服装や民家の外観などインド南部や都市周辺の貧しさは感じられない。
クフリKufri(2510メートル)を13時35分、サオグTheog(2351メートル)を14時10分通過。 尾根道だけに展望はよい。しかし、青空が出たと思えばすぐ陰り、雨が降り出すという変わりやすい天気。
15時前、一軒の茶店に寄り、昼食。急に激しい雨。
ホテルで用意してもらったランチボックス。チキン、バターサンド、ジャガイモ、バナナ。それに茶店のチャイ。肌寒く2杯頂く。20分ほどのランチタイムの間に、ガイドらは集まり、今日のキャンプ地をサトレジ川の畔のノグル付近に決めた模様。
16時、今日の行程の最高地点、ナルカンダオNarkanda(2708メートル)に。町の真ん中にヒンズー寺院、ホテル。学校帰りの子ども多し。雲の合間から太陽がのぞく。
ナルカンダオを過ぎると、道は一気にサトレジ川の谷に向かって下がる。2000メートル以上のところはヒマラヤスギ、少し下るとマツ、さらに下ればポプラやユーカリに変わる。2000メートル以上の畑でのキャベツと1500メートル以上の傾斜地でのリンゴの栽培がやはり、このあたりの主要な現金収入源か。
眼下に黄土色のサトレジの流れが。谷底の狭い段丘面は水田になっている。車を止めてもらい写真を撮っていると大粒の雨。しだいに雨足が激しくなり、ワイパーも効かなくなるほど。サインジSainj(1372メートル)から先は、サトレジ川の左岸沿いを進むが、道は川のようになり、右手の斜面からは小石混じりの水が。ニラスNirathの手前でバスやトラックが3台ばかりが前進できず止まっている。先頭に止まっていたバスが後退をはじめた。ガイドが雨の中を走って、様子を見に行く。土砂崩れと鉄砲水のためこれ以上進むのは無理と判断。このままここにいたのでは車も土砂崩れに巻き込まれる恐れもある。
サインジまで引き返し、レストハウスを探す。
ルリLuhriを経由し、マナリに向かう道を、サトレジ川沿いに少し下った、キンゲルKingelのレストハウスに今夜の宿を求める。サトレジ川沿いの道を100メートルほど登った斜面に建つレストハウスは改装中。隣家の経営者と掛け合い改装中のハウスの軒下にテントを張らしてもらう。三張りのテントが石造りのベランダに建てられ、手前から私、K、Rがそれぞれ割り当てられる。スタッフとAさんはハウスの中のコンクリートの土間に寝ることになる。幸い雨も上がり、暗くなる前に設営も完了する。 チキンボーイのWさんがチャイとビスケットをテントまで運んでくれる。
コックのSWさんは荷物を降ろすや直ぐに夕食の用意をはじめる。20時頃から夕食。金属製の食器入れの箱をテーブルに。トマトスープにミックスベジタブル、豚肉と大根の煮込み、ライスと本格的。すべて日本人の口に合い旨い。特に大根は旨かった。
食後河守さんのテントでAさん持参のプランディを頂き、21時半頃、解散。
蒸し暑く、なかなか寝付けず。ホタルが一匹、テントの側に。日本のホタルと異なり羽は茶色で線が入っている。
周辺の山の山頂付近まで点々と灯火が見える。このような山奥の。
雲間に月も出た。上弦の月が。