| チベットの旅 |
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| 1995年8月16日(水) タール寺へ |
7時モーニングコール。洗面等を済まし、8時青海賓館2階のレストランで朝食。ビュッフェ形式。
食後部屋で持参のコーヒーを入れ飲む。水筒にお茶。
9時、バスで、西寧の南東約30キロ、湟中県にあるタール寺に向かう。
市街を抜けると植生の乏しい山間の直線道路に入る。ポプラ並木が続き、畑では麦秋を迎えた小麦が色づき、盛りを過ぎた菜種の花は細長い刺のような莢に変わりつつあった。ジャガイモも濃緑の葉をつけ育ちがよい。驢馬車やトラックター牽引車の往来多し。
西寧市の水源の一つになっているダムの畔を抜ける。湖畔は公園にもなっているようだ。近くに煉瓦工場がある。
湟中は思いのほか大きな町だ。馬車が目立つ。タール寺は町の西のはずれにある。仏具屋や土産物屋の並ぶ参道を抜け、タール賓館前の駐車場へ。トイレ休憩の後、寺内へ。マニ車や装身具、ナイフなどの物売り多し。
タール寺はチベット仏教最大の教派ゲルク派の宗祖ツォンカパの母親が1379年、宗祖を祀って塔を建てたのが始まりとされ、1560年以来しだいに大きくなり、現在は約40万uの規模を持つ青海省最大の寺院となっている。
10時、午前の見学は入り口の八大如来宝塔より始まる。釈迦の八大功徳を表すという高さ6.4mの8つの宝塔が並んでいる。タール寺専属の女性ガイド(漢族)SさんとDさんの後について最初の建物にに入る。屋根に35sの金を使っているという小金瓦殿。護法神を祀り、2階の回廊にはヤクや熊、羊の剥製が置かれている。建物の中は撮影禁止とのことで、壁画や仏像、タンカなど興味深いものは全て記録できず。ガイドに迷惑をかけては申し訳ないと撮影禁止場所での盗み撮りは一切せず。
川沿いに大経堂前へ。茅葺きの屋根は日本でも見られるが、茅で作った壁は珍しい。赤い僧衣を纏ったラマ僧が三々五々たたずんでいる。166本の柱で支えられているという経堂は修復工事が行われており、隣の文殊菩薩殿に入る。大きなマニ車の並ぶ境内を抜け、薄暗い殿内に入ると、バターの灯明に照らし出された仏像が圧倒する。文殊菩薩はチベットの民に最も信仰されている。ダライラマは文殊菩薩の化身とされている。同行のA大学の先生、若いラマ僧となにやら口論。観光客に対し横柄な態度をとるラマ僧もおり、修行の場にどやどやと押し掛ける観光客にも問題があるとはいえ、不愉快。
文殊菩薩殿の右手、金色の大屋根と緑色のタイルの外壁に囲まれた建物に入る。この建物が、タール寺の中心。1379年、ツォンカパの母親が建てた塔、聚蓮宝塔があった場所。その後改修され今は高さ11m、5tの銀と1tの金、多数の宝石を用いた塔が納められた大金瓦殿である。入口で五体投地の礼拝をするチベット人参詣者を横目に路地のようになった外周の一部を巡る。
川沿いに少し上ると、バターで作った彫刻(酢油花)を展示した酢油花殿がある。ガイドブックには上と下の二つの酢油花殿があることになっているが、入った建物はそのいずれでもない。多分新しく建てられたものであろう。バターで作られた彫刻というのも珍しいが細かい細工と見事な出来映えに驚嘆するのみ。題材は吐蕃王グンソン・グンツェンに嫁す文成公主。一年間展示された彫刻は、年末には撤去され、新しい彫刻に変えられるという。
文殊菩薩殿の裏の坂道を上り、パンチェ・ラマの屋敷へ。現在修理中であったが、ガイドと同郷というラマ僧(かなりの高僧)の案内で中に入らせてもらう。朱色の壁に囲まれた一角に野菜などを保存するむろがあったり、日常生活の一端を窺うことができた。屋敷の前庭からはタール寺の全景を俯瞰できる。旧正月に公開されるタンカを広げる山肌も小金瓦殿の向こうに見える。12時10分、タール寺賓館に戻り、昼食。
賓館前には最近建てられたものらしい20軒ばかりの土産物屋が並んでいる。マニ車やナイフ、トルコ石や瑪瑙製の装身具などが中心。店主はほとんど回族。
観光客に群がる押し売りまがいの立ち売り人多し。遊牧民が使っていたいたと思われる箸付きのナイフ購入。突然、突風を伴いにわか雨。
13時30分から14時30分まで再び、タール寺へ。印経院で木板刷りで経文を一枚一枚刷っているところを見学。経文は一枚2元、絵入りの経文一枚10元で頒布。
長寿殿(花寺)を最後にタール寺の拝観終了。
帰路は往路と同じ。
ホテルに直接戻る予定を変更し、西寧の中心街で自由時間をとることに。昨夜一人で訪れた水井巷の前で下車。みんなはガイドの案内で水井巷に入ったが、私は一人西大街を散策する。路地裏には衣料品や小間物・雑貨を扱う露店がひしめいている。その雑踏を楽しみながら歩く。ターシーツー(大什字)百貨店にも入ってみる。品質はともかく商品は結構多い。集合予定時間の16時15分が近づいてきたため急いで水井巷前に戻る。途中の薬屋に立ち寄り、冬虫夏草酒を購入(一箱36元)。ホテルの売店の半値以下。
16時30分、ホテルに戻る。18時30分まで休息。相部屋のTさんはいびきをかきながら眠ってしまった。 18時30分より青海省民族賓館に出かけ夕食。経営はホテルの隣と同じ雲峰閣。珍しいものは骨付き羊肉の水炊き(ニンニクと胡椒で味付けする)、烏骨鶏か皮の黒い鶏肉、冬虫夏草入りの炒め物。薬膳料理のような夕食だった。当分、高山病予防のから酒類はひかえなければならないため最後の乾杯。賓館に近いテープ屋で青海の民族音楽のテープ3本購入(28元)。
20時40分、ホテルに戻る。 一階の専門店街にて、ヤクの毛で編んだセーター(300元)、ミネラルウォーター(3元)。ラサまで風呂には入れないとのことで、ゆっくりと時間をかけ湯船に浸かる。