「緑の大地」 |
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おわりに |
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2005年8月6日から12日までの7日間「緑の大地―中国残留日本人孤児の足跡を訪ねて」の旅は、 目的を果たして無事帰国しました。
『緑の大地』は、9年前の大主上房開拓団の足跡を訪れた『悲劇の大地』、6年前の満蒙開拓青少年 義勇軍村上中隊の足跡を訪ねた『悲劇の青春』の姉妹編にあたります。
2004年2月20日、岡山地裁に中国残留日本人孤児16人が国賠訴訟をしました。この裁判にかかわる 弁護団や支える会と、03年暮れから付き合いが始まりました。私は、中国東北部を3回訪れた体験が あります。しかし、60年前の開拓団の出来事を資料や関連本を私が提示しても、戦後生まれの者には 「理解」することに限界がありました。
弁護団や支える会の人たちがやはり「現場」を見ることの大切さを感じました。
今年3月頃に、弁護団の則武弁護士や支える会の小林先生に旅行企画を提案しました。現地を 知る高杉久治さんに同行してもらえるかどうかが決め手でした。高杉さんは、本文にもあるように 養父母のお墓参りに行きたい希望があって、快諾を得ました。あとは、参加者と寄付が集まるかどうか 心配でした。岡山高教組からこの企画を「教研活動」としての取り組みにしてもらい援助を頂きました。 寄付や私の講演料を提供して資金は何とか集まりました。6月11日の結団式には16人が集まりました。 この旅は、日中友好をはかる目的があるのでその趣旨を理解してもらい、参加者からは1万円ずつ カンパしてもらいました。大張家小学校、勃利中学校、龍爪小学校に、21世紀を日中の架け橋を 期待して教育基金を渡すことになりました。お金ではなく、サッカーボールやバトミントン用具などを 寄贈したところ、大変喜ばれました。中でも、夏休み中にもかかわらず大張家小学校との生徒と 交流できたのはうれしく、とても楽しかった思い出となりました。
募金や寄付の一部があまりましたが、この冊子代の印刷費の一部に使わせてもらいました。 この報告集が、寄付やカンパをいただいた方への御礼になればと思います。
山陽新聞社には大変お世話になりました。山陽新聞夕刊に連載させていただきありがとう ございました。特に瀬尾由紀子記者には、お世話になりました。2004年12月に瀬尾記者は、 高見英夫さんと「凍土の大地」を踏みしめ、本年1月に「落葉帰根」を書かれましたが、 あわせて読んでいただけば、「理解」が深まると思います。
最後になりましたが、アジア・コミュニュケーションズの松井三平社長には、旅行に 添乗してもらいました。流暢な中国語を駆使して、さまざまな困難な要求に応じていただき、 大変お世話になりました。改めてお礼を申し上げます。
旅行参加者16名
奥津亘、則武透、高杉久治、小林軍治、金本弘、荒武一彦、荒武俊子、漆原美栄子
小林薫、春名公宏、小川澄雄、曽田康載、堤孝雄、坪井あき子、梶田芳正、青木康嘉
添乗員 松井三平(アジア・コミュニュケーションズ)
李華濱(遼寧省中国青年旅行社)