■ご挨拶
このたび、東京という、私にとっては新しい未知の町で、 私の人形を発表する機会を与えていただきました。
今回の人形展のテーマは「夢を紡ぐ」です。
誰もがいつも、無意識に何かを紡ぎながら生きています。私の場合は、人形作りでした。
昨日・今日・明日と、思いをさまざまにはせるとき、うたかたの夢のように浮かんでくる小さな人たち。日々の単純な手仕事の積み重ねから人形たちは生まれてゆきます。
夢を見ながら人形を作ってきた私が、いつのまにか人形たちが語り始める新たな夢を紡いで、彼ら彼女らの昨日・今日・明日をこの指先から作り出しているのです。
現在の姿の人形でも、昭和の香りがするとよく評されます。私が大切にしている夢がそこにあるからかもしれません。今回の人形展を通して、ご覧になってくださった方が、それぞれの夢を紡ぎだしてくだされば幸いです。 |