慟哭の大地6
「慟哭の大地」

6 龍報希望小学校

 2年前は、龍爪小学校だった。しかし、黒龍江日報という新聞社から32万元もの学校への 資金援助の申し出があったそうで、学校の設備改築がなされていた。邵洪友(ソウ・ホンヨウ・47歳) 校長先生は、変わらずお元気で再び友好を確認した。私たちは、2年前と同じようにサッカーボールや バスケットボール、バトミントンなどを寄贈した。この小学校は、遠い生徒のために寄宿舎もあり、 一年生から英語教育、パソコン教育がある。この学校の特色は習字教育と聞いた。私たちは特別教室で 習字や絵画の展示や見せてもらった。

 龍爪郷の街は、市が立っていて賑わっていた。人民政府の食堂で昼食をいただいていたら、高見英夫さんが 食事も途中に一足先に出かけた。4年前、山陽新聞の瀬尾由紀子記者や平田知也記者と訪ねた場所へ 向かった。

 龍爪河を渡って、地図上では畜産学校のあった近くである。この場所は、昔の龍爪開拓団を感じさせる 古い家がある。そこは、立木で塀があり、中庭にトウモロコシや野菜が雑然と植えられている。右手に 馬小屋があって、馬が首をのぞける。戦前日本人が住んでいた家だという。家の奥に小高い丘がある。 高見英夫さんにとっての「日の出郷」と思いこんでいる。高見さんは、その家の住人にお土産を持って 行っていた。

 高見英夫さんの「感情記憶」に残っている自宅のイメージとよほど似かよっているのだろう。


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