小説『ムグンファの季節』 目次


あらすじ


 戦後50年を迎えて、金東圭は家業を息子に譲り、ふらりと旅にでた。そこは、かって昭和19年から20年にかけて日本に強制連行された場所であった。 金東圭ら3500名の若者が1年間青春時代に過ごした「思い出したくない場所」であった。 玉野市の市役所を訪ねて、当時の造船所を聞く。市役所は地元で研究調査をしている高木先生を 紹介してくれた。高木先生は、造船所を案内してくれただけでなく、当時の写真を所有しており、 また当時の関係者に引き合わせてくれた。金東圭は、思い出の地を訪ねていくうちに、50年前の 記憶が戻ってくる。 同僚隊員の死亡、日本人に受けた暴行、落盤事故、空襲、女子挺身隊との 淡い恋、日本人との心暖まる交流など、戦争という時代が引き起こしたドラマが記憶に戻る。 そして、50年前同僚隊員を埋葬した墓地に行くと、そこには50年前に植えたムグンファの花が 咲いていた・・・・・。


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